先日、強度行動障害支援者養成研修(基礎)の「家族の思い」というコマで45分ほど話をした。
息子への思いを精一杯お話した最後に
「強度行動障害」という失礼な単語についての個人的な思いを伝えた。
最近、「その人って強行の人でしょ」みたいな使い方をする福祉関係者がいる。
「強行」と略されちゃうようになったら、「強度行動障害」という単語がなんか福祉の世界で市民権得ちゃったみたいでとてもイヤだ。
そもそも、強度行動障害というのは診断名ではなく状態像だ。
なので、「強度行動障害の人」ではなく、正しくは「強度行動障害の状態にある人」だ。
もっと正確に言えば、「周囲の不適切なかかわりや理不尽な環境のせいで強度行動障害の状態にさせられちゃった人」だ。
一人の人間として、もともと持っている権利を奪われた被害者だ。
「強度行動障害支援者養成研修」だと、まるで「強度行動障害」のあるめっちゃ大変な人を支援できる人を養成する研修みたいに聞こえる。
全くちがう。
この研修は、強度行動障害の状態にさせないためのかかわり方のコツを学ぶはじめの一歩の研修だ。(と私は研修内容を見て思っている。)
この研修を受けただけで、すでに強度行動障害の状態になっている方の支援なんてしたら、ケガする。
それは、登山の解説ビデオ見ただけで、実際に山登りなんかしたら遭難しちゃうのと同じだ。
この研修は、あくまでも「きっかけ」「はじめの一歩」にすぎない。
だから、どうか、一日も早く、この失礼な研修名が「なんちゃら初任者研修」とかになって、それ受けなかったら支援員として現場に入れない(ヘルパーさんみたいに)って感じになってほしいと、心から、切に願っている。